関連情報絶滅危惧(きぐ)種を守れ
中国武漢(Wuhan)市の水族館で泳ぐヨウスコウカワイルカの「淇淇(チーチー、Qi Qi)」。1980年に長江(揚子江、Yangtze)で岸に打ち上げられていたところを助けられ、2002年に老衰で死亡するまでの22年間をこの水族館で暮らした。(2006年11月15日提供)。(c)AFP/INSTITUTE OF HYDROBIOLOGY CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【8月9日 AFP】急速な近代化が進む中国で、長江(揚子江、Yangtze)固有の希少種、ヨウスコウカワイルカ(Baiji dolphin)が絶滅したのではないかと危惧(きぐ)されている。8日、生物学者で作る国際研究チームが英科学誌Royal Society Biology Lettersに調査報告を掲載した。
同研究チームは昨年、ヨウスコウカワイルカの生態調査を6週間にわたって実施したが、生存中の個体を確認できなかった。
中国科学院(Chinese Academy of Sciences)のWang Ding氏は、「調査結果はヨウスコウカワイルカが絶滅した可能性を示すものだ」と話す。Wang氏は、ヨウスコウカワイルカの研究における世界的権威の1人。
Wang氏によると、ヨウスコウカワイルカは壊滅的な公害汚染、不法漁労や過密な河川輸送などの犠牲になったという。
ヨウスコウカワイルカの絶滅が確定すれば、ほ乳類としては最近50年間で初めて絶滅した種となる。このイルカは、同じく絶滅の危機にひんしているバンドウイルカに近い種でもある。
Wang氏は「ヨウスコウカワイルカが既に絶滅したと言っているわけではない」と強調。生き残っている可能性もあるが、今年行った追加調査でも、生存している個体を確認できていないと肩を落とす。
ヨウスコウカワイルカは、およそ2000万年前にほかのイルカ類と分化して以来、長江に生息してきた種で、長い鼻、多数の歯、短い背びれが特徴。百年前まで最大5000頭が生息していたとされるが、1997年には13頭まで激減。最近2年間は、公式には生存が確認されていなかった。
世界最大規模の民間自然保護団体、世界自然保護基金(WWF)は、カワイルカ類は河川の健全さと流域の人々に供給される飲料水の水質を測る試金石だと指摘。
WWF淡水プログラム部門の責任者、Jamie Pittock氏は「カワイルカの体内に有害物質が蓄積していれば、川の水を飲料水として利用する人間にとっても問題となる」と語る。
昨年の調査に参加したロンドン動物学学会(Zoological Society of London)のSam Turvey氏は次のように話している。「ヨウスコウカワイルカの絶滅は、進化の系統樹の枝が1本まるごと消滅することを意味する。人類には、地球環境の守り手としての責任を果たす義務がある」(c)AFP










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