【5月25日 AFP】安倍晋三首相は24日、都内で開かれた国際会議の晩さん会で演説し、「世界全体の地球温暖化ガス排出量を現状から2050年までに半減する」などを、国際的な共通目標とすることを提言した。

 首相は演説で「美しい星50(Cool Earth 50)」と題した戦略を発表。技術革新と社会の変革を通じて 「世界全体の温室効果ガスの排出量を、現状と比べ2050年までに半減する長期目標を、全世界の共通目標として提案する。長期目標と実現手段について、国際合意を得るよう各国に働きかける」と述べた。

 また、賛否両論のある原子力発電も含め、発展途上国における温暖化ガス低排出の技術確立を支援するため、日本を含む各国に援助を求めた。

 また、6月にドイツで開かれる主要8か国(G8)首脳会議で参加国に提案し、2012年に満了する「京都議定書」後の新しい枠組みを作り、地球温暖化対策に取り組むことを呼びかける意向を表明した。拘束力のない京都議定書に反対している米国や中国などの参加を促したいとしている。

 米国とオーストラリアは、中国など経済が急成長している国に対する拘束力がないことを理由に、京都議定書の批准を拒否している。中国は米国を追い抜き、世界第1位の排出国になりつつある。

 日本は国際的な影響力を拡大するために、温暖化に対して積極的に取り組む姿勢を示してきた。京都議定書は温室効果ガス削減を規定した世界初の議定書で、1997年に採択された。(c)AFP/Shaun Tandon