【10月7日 AFP】(一部更新)TBSは7日、米ABCテレビの人気番組「ワイプアウト(Wipeout)」が、TBSの娯楽番組「風雲!たけし城」などにコンセプトが酷似しており著作権侵害などに当たるとして、放送差し止めと損害賠償を求め、米カリフォルニア(California)州連邦地裁に提訴したと発表した。

「ワイプアウト」はABCが6月に開始した番組で、現在2クール目の放映に入っている。巨大で複雑な障害コースを参加者が競い抜ける内容だが、TBSでは同社の過去の番組「風雲!たけし城」「SASUKE」「KUNOICHI」と酷似していると憤っている。

 TBSは声明で「ワイプアウトは、番組の基礎的な構造から、番組のフォーマット、イベントの流れ、ナレーション、多くの障害物コースや撮影方法、音楽の効果に至るまで、多岐にわたってTBS番組に酷似しており、とうてい看過できない」とし、創造したテレビ番組という貴重な財産を守る観点から提訴に踏み切ったと説明した。

 TBSによると、「風雲!たけし城」は1980年代の人気番組で、これまでに50か国・地域以上にライセンス販売されている。2003年から「Most Extreme Elimination Challenge(最も厳しい勝ち抜き戦の意)」の題名で米国版が放送されたこともある。「SASUKE」と「KUNOICHI」はどちらも米国では「ニンジャ・ウォリアー(Ninja Warrior)」として知られ、2006年から同名の米国版が放映されている。

 インターネットの動画投稿サイト「YouTube」の普及により、日本のテレビ番組の視聴者も世界的に増えたが、米国のテレビ評論家らも、これらTBS番組とABC「ワイプアウト」の類似性を指摘していた。(c)AFP