【3月2日 AFP】欧州連合(EU)が新たに導入した家禽愛護規定に、仏菓子職人らが悲鳴を上げている。フランスの菓子製造業者で作る全仏鶏卵産業組合(National Union of Egg Industries and ProfessionalsSNIPO)は1日、新規定を満たさない数か所の養鶏場が生産を中止したため鶏卵価格が高騰しているとして、早急な対策を取るよう訴えた。

 フランスでは、EU産卵鶏福祉指令(European Union Welfare of Laying Hens Directive)に基づき、鶏をバタリーケージという狭いかごの中で飼育する方法が今年1月1日から禁止され、この規定に反する養鶏場が一時生産中止に追い込まれたことから、卵不足が起きている。

 鶏卵の1週間当たり生産量は10%(約2100万個)減少し、その結果、2月の鶏卵価格は前年10月比で75%高騰した。SNIPOは「この不均衡で深刻な状況は2012年いっぱい続く可能性がある」と声明で警告。仏政府に対し、鶏卵の「生産量回復のための早急な例外的臨時措置」を求めた。

 SNIPOは、このままでは菓子類やケーキ、菓子パン、ブリオッシュなどを値上げせざるを得なくなるほか、生産中止と従業員の一時解雇を強いられることになるかもしれないと警告している。(c)AFP