【6月27日 AFP】米タバコ大手フィリップ・モリス(Philip Morris)のアジア法人、フィリップ・モリス・アジア(Philip Morris AsiaPMA)は27日、全てのたばこパッケージからブランドのロゴマーク表示を撤廃する規制法案を提出したオーストラリア政府に対し、同法案は2国間投資協定違反だとして法的措置を取ると発表した。

 豪政府の提出した規制法案では、喫煙率を下げるため、2012年から全たばこ商品のパッケージからブランド名や企業名のロゴを撤廃し、オリーブグリーン色のパッケージに視力を失った目や、病気になった黒い歯ぐき、入院する子どもの写真などを掲載し、健康上の被害を警告することを定めている。

 これに対しPMAは、たばこ販売による収益の落ち込みに加え、統一パッケージは模倣がしやすいため偽造タバコが市場に氾濫することになると指摘。法案は、同社が拠点を置く香港(Hong Kong)当局と豪政府とが結んだ2国間投資協定に違反していると主張している。

 PMA広報のアン・エドワーズ(Anne Edwards)氏は、「商標や価値のある知的財産を強制的に削除する行為は、明確な2国間投資協定違反だ。企業活動への損害に対する多額の賠償金を要求する方針だ」との声明を発表した。PMA側は27日に通知書を提出し、定められた3か月の期限内で交渉を始める。決着しない場合は、民事調停手続きに入るという。

 PMAはマルボロ(Marlboro)やピータージャクソン(Peter Jackson)などの銘柄を豪国内で展開している。(c)AFP

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