【6月30日 AFP】経済協力開発機構(OECD)は29日、加盟31か国における医療への財政支出は2000年から08年までの期間に国内総生産(GDP)比で7.8%から9%に上昇し、各国の経済成長よりも速いペースで増えているとの調査結果を発表した。

 医療費の支出拡大についてOECDでは医療技術の変化や、人口増加、高齢化などを理由に挙げている。

 2008年のデータによると、米国は国民1人当たり年間7538ドル(約67万円)を支出している計算で、OECD加盟国全体の平均3000ドル(約27万円)の2倍以上に達していた。続くのはノルウェーとスイスでOECD平均の1.5倍程度だった。

 OECDは「一刻も早く財政赤字を削減する必要がある中で各国とも保健医療システムを維持するためには、医療費の拡大抑制、医療以外の分野の支出削減、増税といった難しい選択をしなければならないだろう」とまとめている。(c)AFP