【2月2日 AFP】(写真追加)世界でも記録的なハイパーインフレーションが続くジンバブエの中央銀行は2日、1兆ジンバブエ・ドルが新1ジンバブエ・ドルになる12桁のデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を実施し、7種類の新札を発行した。

 ジンバブエ準備銀行(中央銀行)のギデオン・ゴノ(Gideon Gono)総裁は、疲弊した経済を建て直すため「中央銀行は通貨の12桁を切り下げた」と述べ、新ドルで1ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル、500ドルの7種類を直ちに発行したと発表した。

 ゴノ総裁は「昨日までは兆単位のお金を持っていた資産家たちよ。悪いが、今日は好きな飲み物も買えないよ」とコメントした。
 
 デノミ直前まで流通していた紙幣の最高額は10兆ドル札だが、中央銀行は1月に、100兆ドル札の発行も予告していた。2月1日時点の為替相場は、1米ドルが約4兆ジンバブエ・ドルだった。
 
 ジンバブエ経済は08年7月に年率2億3100万%の物価上昇率を記録し、世界最悪水準を更新して以降、歴史に残るハイパーインレーション下で崩壊の一途をたどってきた。また、同7月には10桁のデノミを実施している。

 政府は前週、商取引の際の外国通貨の使用を全面的に解禁した。(c)AFP