【11月5日 AFP】アイルランドの人気ロックバンドU2のレコーディングスタジオが入る予定の、ダブリン(Dublin)の高層ビル建設が、金融危機の影響で中断となった。ダブリン当局が10月31日に明らかにした。

 この高層ビル「U2タワー(U2 Tower)」は、ダブリン市のリフィー(Liffey)川沿いにある波止場地域に建設されていたもの。完成すれば高さ120メートルで、アイルランドで最も高くなる。設計を手掛けたのは、著名な英建築家ノーマン・フォスター(Norman Foster)氏だ。

 建築費はU2メンバーの所属会社August Partnersなどの複数の企業が共同出資し、2億ユーロ(約247億円)が投じられている。波止場地域にあったU2のレコーティングスタジオは6年前に取り壊されており、同ビルの頂上には卵型をしたU2の新スタジオが入る予定。 

 当局の説明によると、アイルランドは世界金融危機の影響で地価の下落などの景気後退に入っているため、現在の不動産・金融市場の混乱が収まるのを待ち、建設を1年後に再開する見通しだという。だが現在の経済状況をみる限り、建設再開までさらに時間が必要だとみられている。(c)AFP