【10月18日 AFP】流行か、あるいは時代のすう勢か、ドイツの経済学者・哲学者カール・マルクス(Karl Marx)の著書『資本論』の売れ行きが伸びている。ドイツ中西部フランクフルト(Frankfurt)で15日開幕した世界最大の書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア(Frankfurt Book Fair 2008)」に参加した、共産主義関係の書籍を専門に扱う出版社が17日明らかにした。

 出版社「Karl Dietz Verlag」のJoern Schuetrumpf社長は、マルクスやドイツの社会主義運動の先駆者ローザ・ルクセンブルク(Rosa Luxembourg)のポスターが飾られたブースで、1867年に初出版されたマルクスとフリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels%)の歴史的著書『資本論』を前に、「2005年以降、わが社の売り上げが伸びている。05年は500冊、06年は800冊、07年は1300冊売れた。08年も9月までですでに1500冊が売れている。数自体はそれほどでもないが、その増加ぶりに驚いている」と話した。

 多数の先進国が景気後退の瀬戸際に立たされる中、「カール・マルクスを再び読む必要性を感じている社会は、経済に懸念を感じている社会だ」とSchuetrumpf氏は指摘した。(c)AFP