【8月14日 IDO Securities】NY金のネックライン(850ドル)割れからの下げ加速に伴い、大幅続落していた東京金だが、昨日は出来高を伴い、長い下ヒゲを形成して反発となった。RSIも低水準にあり、13日安値(2823円)が短期的な底値候補だ。同水準割れにストップロスを置いた短期リバウンド狙いの買いも予想される。とりあえずNY金の800ドルの底が確認され、まずは、下げ過程で空けたGAPを埋めに行く展開に。同GAPには、7月高値~8月安値までの下げ幅に対する38.2%戻し(3029円)や、転換線(3011円)、雲の下限(3066円)などのテクニカルポイントがある。
 ファンド売りで大きく下げたものの、現物が足りない状況(東南アジア・中東)は変わらず。また、オリンピックに沸く中国では、オリンピック記念メダルとコインの売れ行きが好調で、WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の発表によると2008年第二四半期の金の個人投資向けの売上高は、ほぼ10トンに達し、125%の伸びを示し、宝飾も好調で、昨年同期比24%の伸び(人民元額)を記録している。
 今回のファンドの売りに対して880ドルを割り込んだ当たりから、アジアの「実需投機筋」は買い向かっており、850ドルを越えてくると、その利食い売りが出てくると思われ、一旦、戻りを売られる可能性はあるが、その際に、1番底を割り込まなければ、ダブルボトムが意識されていく流れに移行するか?

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(北浜流一郎・菊川弘之の朝一投資大学)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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