【1月10日 AFP】深刻な水害に見舞われているオーストラリア北東部クイーンズランド(Queensland)州トゥーンバ(Toowoomba)で10日、大雨による鉄砲水によって車や歩行者が流され、少なくとも1人が死亡した。

 トゥーンバは州都ブリスベーン(Brisbane)から西に約120キロの都市。現地の警察は少なくとも4人の歩行者が濁流に流され、女性1人が死亡したと発表した。トゥーンバ市長はオーストラリア放送協会(ABC)のラジオで、少なくとも1人が死亡したが現時点で正確な人数は不明だと述べた。テレビは水に流されて樹木にぶつかる車の映像を放送した。

 主要高速道路では地滑りが発生し、橋は流され、建物の倒壊もあったと報じられている。あるトゥーンバ市議は一度も見たことのない光景だと語った。クイーンズランド州では24時間雨量が300ミリを超えたところもあり、すでに記録的な水準にあった河川の水位はさらに上がって道路や橋が水に漬かっている。

 ジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相は前年11月以降、3つの州の計150の地域で大雨による被害が出ていると述べた。災害支援の要請は8000件、金額にして1000万豪ドル(約8億2000万円)に達し、支援要請はさらに増える見込みだという。

 今回の水害の犠牲者はすでに12人を超えた。経済損失は60億豪ドル(約4900億円)に上るとみられている。復興支援としてこれまでに3000万豪ドル(約25億円)が集まっており、10日にはローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)も5万米ドル(約420万円)を寄付することが明らかになった。(c)AFP/Patrick Hamilton