【7月23日 AFP】バングラデシュの警察は21日、首都ダッカ(Dhaka)近郊の村で、少女(12)を誘拐して強制的に自分の妻にしたとして村の評議会による裁判で有罪とされた男(30)が、罰として裸にされ、性器にれんがをくくりつけられて村内を歩かされた件を捜査していると発表した。この男に誘拐された少女は無理やり結婚させられた後、自力で逃げ出していた。

 事件が起きたのはダッカの南30キロにある村で、村の評議会が16日にこの刑を執行した。警察によると、この村の評議会のトップと長老たちが男を殴った後、男の性器にれんがをくくりつけ、200人以上が見ている前で川岸の階段を歩かせた。
  
 バングラデシュでは村の評議会や長老らによる「村落裁判」が法律で認められているが、裁くことができるのは土地の所有権や相続権に関するものなど小さな案件に限られており、判決で体罰を言い渡すことは禁じられている。 

 今回の刑が執行された前の週には、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)が村の評議会などによる虐待に警告を発し、人口1億4200万人の多数がイスラム教徒であるバングラデシュに対し、こうした事態が起こらないようただちに措置を講じるよう求めていた。

 これらの虐待はファトワ(イスラムの宗教令)を受けて行われることが多い。バングラデシュではこうした処罰で、ここ数年間に数十人の女性が死亡している。(c)AFP