【11月12日 AFP】中国当局は10日、内蒙古(Inner Mongolia)自治区の鉱山会社が金を採掘しようとして、世界遺産「万里の長城(Great Wall)」の一部を破壊した疑いがあり、現在捜査を行っていると発表した。

 同自治区の文化遺産担当官によると、この鉱山会社は金の試掘中に、万里の長城に数個の穴を開けた疑いがあり、再三の中止要請にもかかわらず試掘を継続したため、自治区が警察に告発した。被害部分の壁の長さは約100メートルだという。

 政府の国家文物局(State Administration of Cultural Heritage)も要員を現地に派遣し、調査を開始した。

 万里の長城周辺では各地で開発が進んでおり、秦王朝(Qin Dynasty、紀元前221~207年)の古代遺産に及ぼす悪影響が懸念されてきた。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、内蒙古自治区では以前から、鉱山会社や道路建設会社、地元村民などが建築資材として使うために万里の長城の石材を持ち去り、壁が破壊される被害が相次いでいる。中国では、世界遺産である万里の長城の損傷は、50万元(約660万円)以下の罰金または10年以下の禁固刑に相当するという。(c)AFP