【4月17日 AFP】(一部更新、写真追加)タイの反タクシン派市民団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」の指導者、ソンティ・リムトンクン(Sondhi Limthongkul)氏が17日早朝、何者かに襲撃され、頭部に銃撃を受けた。医療関係者によると、ソンティ氏の銃弾摘出手術は無事成功し、同氏の容体は危険な状態を脱した。現在、集中治療室で治療を受けており、回復まで1週間ほどかかるという。

 タイ政府報道官は、襲撃は新たな騒乱を扇動する暗殺だとの見方を示した。

 地元警察によると、ソンティ氏はバンコク(Bangkok)市内の繁華街を車で移動中、現地時間午前5時45分(日本時間午前7時45分)ごろ襲撃を受けた。襲撃犯は少なくとも2人で、ソンティ氏の車を追い抜いてから、AK47自動小銃とM16自動小銃を100発近く撃ち込んできたという。

 ソンティ氏は所有するテレビ局に、収録に向かう途中だった。車は窓が割れ、タイヤは4つともパンクするなど大きく損傷。運転手が重体となっているほか、同乗していた側近が軽傷を負った。

 ソンティ氏の緊急手術を担当した医師団によると、同氏は右のこめかみに銃弾1発を受けたが、病院に到着したときは意識があり、医師団と会話もできたという。また、地元ニュースサイトは、襲撃を受けた車の前に立っているソンティ氏と、その後ストレッチャーで運ばれる同氏の写真を掲載した。

 PADは国王のシンボルカラーの黄色の服装で知られる現政権支持派で、ソンティ氏は2006年のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相を失権させたクーデターの前の抗議行動や、前年のバンコク国際空港占拠事件などを率いた。(c)AFP/Anusak Konglang