【11月16日 AFP】国連総会(UN General Assembly)第3委員会(人権)は15日、死刑執行の一時停止を加盟国に求める決議案を賛成99、反対52、棄権33で採択した。死刑廃止を目的としており、米、中やイスラム諸国、発展途上国などが強く反発、議論は賛否両論が飛び交う激しいものとなった。

 外交筋によると、早ければ12月にも加盟全192国が出席する総会本会議に採択にかけられるとみられる。本会議で正式に採択されれば、国連決議となる。

 ジャンモーリス・リペール(Jean-Maurice Ripert)仏国連大使は、イタリアの草案による15日の決議案採択について、「死刑制度廃止の必要性を世界各国が認識する転換点となる」との見方を示した。

 一方、反対各国は、決議案を共同提案した87か国が死刑に対する価値観を他国に押し付けただけだと非難。同案は国連総会を二分しただけで、合意は得られていないと主張している。

 決議案は、死刑を「人間の尊厳を奪うもの」と規定し、死刑制度を維持している国に対し「制度廃止を視野に入れた死刑執行の一時停止」を求めている。(c)AFP/Gerard Aziakou