【10月10日 AFP】アルゼンチンの軍事政権(1976-83年)下で殺人や誘拐、拷問などに協力していたカトリック司祭が9日、終身刑を言い渡された。
 
 判決を受けたChristian Von Wernich司祭(69)は、軍事政権時代、首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)の警察付き聖職者だった。同司祭は、囚人から告白を受ける立場を利用し、秘密監禁施設で囚人を拷問にかけていた警察側に情報を流しており、ブエノスアイレスでの7人の殺害、31件の拷問、42人の拉致への共謀の罪に問われていた。

 弁護側の証言では、監禁施設で拷問を受けた証人たちに対し、悪魔に取りつかれていると非難していた同司祭だが、判決時は無表情で聞き入っていた。

 裁判はブエノスアイレスから57キロ南のラプラタ(La Plata)で、3か月にわたって行われ、判決後は数百人が、同司祭の人形を燃やすなどして判決を喜んだ。

 カトリック教会は、この件に関してコメントを出していない。(c)AFP