【9月5日 AFP】米国防総省は4日、中国人民解放軍によるとみられる軍事コンピューターシステムへの不正侵入発覚を受け、このほかの複数の国が、同様の不正侵入を試みていることを明らかにした。

 会見を行った同省のパトリック・ライダー(Patrick Ryder)報道官は、米国防総省は「(同軍の)ネットワークを積極的に監視し、適切に対処する」との考えを示し、さらに「複数国の政府や非政府系グループが侵入技術の開発を積極的に行い、米国防総省の情報システムへの不正アクセスを試みている」と語った。

 ライダー報道官は、中国人民解放軍によるサイバー攻撃については言及せず、その他の不正アクセスの実行主体に関しても、具体的には明言しなかった。また、現在進めている調査内容や具体事例についても明らかにせず、国防総省のコンピューターシステムに対する被害予測やシステム防衛策などについても公表できないと述べた。

 英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙が複数の米政府関係者の話として報じていたところによると、人民解放軍は米国防総省のコンピューターシステムへ数か月間にわたってサイバー攻撃を実施、今年の6月に不正侵入に成功した。侵入成功の結果、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官の執務室にあるコンピューターシステムもダウンしたが、バックアップシステムが作動し、被害はなかったという。(c)AFP