【11月16日 AFP】(一部更新)インドの首都ニューデリー(New Delhi)で15日、4階建てのビルが倒壊した。現地警察の報道官が16日明らかにしたところによると、これまでに60人の遺体が収容された。このほか、負傷者80人が市内各地の病院に搬送された。警察によると、まだ多数ががれきの下に閉じ込められているとみられる。

 倒壊事故があったのは、労働者層の住居が密集するニューデリー東部のラリタパーク(Lalita Park)地区。15日午後8時15分ごろ、住居やオフィスなどが入った4階建てのビルが倒壊した。事故現場は細い路地が入り組んでいるため、がれきを取り除く重機を運び込むことが難しい状況だという。

 インドは数十年来となる激しいモンスーンに見舞われ、前月にはヤムナ(Yamuna)川の堤防が決壊し洪水が発生した。デリー首都圏のシーラ・ディクシット(Sheila Dikshit)首相は、倒壊したビルは無許可建築だった可能性があり、洪水で建物の躯体が劣化していたことが事故原因ではないかとの見方を示した。

 建築基準が緩いニューデリーでは、建築物の小規模な事故が後をたたない。また建築業界では汚職がはびこり、低質な建材を用いた工事が横行している。(c)AFP/Adam Plowright