【12月22日 東方新報】中国で無糖炭酸水をヒットさせ、無糖ブームの火付け役となった新興飲料メーカー「元気森林(Yuanqisenlin)」が、人気商品「燃茶」を人工甘味料のエリスリトールを使用しない無糖茶にリニューアルした。

 日本の感覚では「そもそもお茶が無糖なのは当たり前では?」と思うが、中国ではペットボトルのお茶は砂糖や人工甘味料の入った商品も多い。通常の湯でわかすお茶はもちろん砂糖は使わないが、冷たいペットボトル入りのお茶は「別物」として普及したようで、「低糖」「無糖」と分けて販売している。烏龍茶や緑茶にも砂糖入りがあり、中国に赴任・留学したばかりの日本人が知らずにコンビニでペットボトルのお茶を買い、甘みを感じて思わず吹き出してしまいそうになるのは「中国あるある」の代表例だ。

 その中国も近年は若者を中心に健康意識が高まり、飲食物の糖質やカロリーを気にするようになった。元気森林は「糖分ゼロ、カロリーゼロ、脂肪分ゼロ」をうたった炭酸水を2018年に発売し、そのニーズをつかみとった。

 元気森林の営業利益は2020年の27億元(約529億円)から2021年には70億元(約1372億円)に急増したが、2022年は80~90億元(約1568億~1764億円)と勢いが鈍化する見込み。無糖茶の投入で再び上昇気流に乗ろうとしている。

 また、中国の若者の間に急速に定着した「新式ティードリンク」の代表的チェーン店「奈雪的茶(NAIXUE)」も最近、天然の砂糖代用品で糖質ゼロの羅漢果(ラカンカ)を全面的に使用すると表明した。新式ティードリンクとは、高品質の茶葉や新鮮な牛乳、季節のフルーツを掛け合わせたもので、スイーツ感覚でお茶を楽しめる。業界関係者は「新式ティードリンク業界は激しい品質競争が続いている。戦いは茶葉、フルーツ、牛乳から、さらに糖質ゼロに突入した」と話している。

 最近はアイスクリームや菓子メーカーの間でも、「クリーンラベル」の表示が進んでいる。消費者に分かりやすいシンプルな原材料を配合し、食品添加物を使用していないことをPRしている。今後、中国で消費者のハートをつかむためには、「健康」を意識した商品開発がさらに必要となりそうだ。(c)東方新報/AFPBB News