フィリピン残留日系人女性2人に日本国籍、父親の身元未判明のまま
10月10日 02:34
フィリピン北部タルラック(Tarlac)州のCapas National Shrineで、戦友の名前を探す第2次世界大戦の退役軍人(2004年4月6日撮影)。(c)AFP/ROMEO GACAD
【10月9日 AFP】第2次世界大戦前にフィリピンで生まれ、現地に残された日系2世の女性2人に対し、東京家庭裁判所は新たに戸籍を作成する「就籍」を許可した。支援団体が8日、マニラ(Manila)で記者会見し、明らかにした。 2人とも日本人の父親の戸籍が残されておらず、父親の身元が判明しないまま2世の就籍申し立てが認められた初めてのケースとなった。 就籍活動を支援するNPO法人「フィリピン日系人リーガルサポートセンター(Philippine Nikkei-jin Legal Support Center、PNLSC)」によると、就籍が許可されのは坂本フミコ(フアニタ)(Juanita Sakamoto)さん(80)と吉川メリシア(Melecia Yoshikawa)さん(89)。 マニラで就籍届に署名した吉川さんは、記者会見で「とてもうれしい」と語った。 家裁はこれまでのところコメントを控えている。 フィリピン残留日系人に日本国籍が認められたのは2006年2月の姉妹2人が最初で、これにより家族が日本で生活、就労する道が開けた。 日本人を父親に持ちながら、戦後フィリピンに残された日系人は約2500人。その多くが父親の名前すら知らず、差別や貧困に苦しめられてきた。 PNLSCによると、坂本さんらと同じ境遇で日本国籍を認められていない比残留日系人は800人以上いるという。東京家裁には同様の就籍申し立てが40件行われている。(c)AFP