世界の気温、今世紀中に2.6度上昇の見通し 国連が警告
このニュースをシェア
■排出量の増加ペース鈍化も米国は「大きな例外」
報告書によると、現在の政策がそのまま継続されれば、気温は2.8度上昇する見通しだという。
科学者らは、気温上昇が1.5度を超えてさらに進むにつれ、たとえ0.1度単位の上昇であっても、異常気象の増加や、サンゴ礁の死滅、永久凍土の融解といった地球環境の不可逆的な変化が起きる可能性が高まると警告している。
世界の平均気温はすでに産業革命前と比べて約1.4度上昇しており、数年以内に1.5度を超えると予想されている。
世界の温室効果ガス排出量の約4分の3を占めるのは20か国・地域(G20)だが、グテレス氏は地球温暖化を食い止めるため、「すべての国、特に排出量の多い国は、さらなる取り組みを進めなければならない」と訴えた。
報告書の共同執筆者アンネ・オルホフ氏は、今回のUNEPの気温上昇予測が前年より悪化した理由として、米国がパリ協定から正式に離脱したことや、過去の排出量データが上方修正されたことを挙げた。
報告書は、G20諸国では排出量の増加ペースが鈍化した一方、米国は「大きな例外」だったと指摘した。
2025年の暫定データによると、世界の温室効果ガス排出量上位6か国・地域のうち、米国、インドネシア、中国では排出量が増加した一方、インド、ロシア、欧州連合(EU)では減少した。
特に米国の排出量は、CO2換算で1億3300万トン増加し、その増加幅は他のどの国をも「大きく上回った」。電力需要の増加と石炭火力発電の回復が主な要因だった。
米国は中国に次ぐ世界第2位の温室効果ガス排出国。ドナルド・トランプ米大統領は気候変動を「でっち上げ」と呼び、化石燃料の生産を拡大する一方、クリーンエネルギー政策を後退させてきた。
報告書では、2100年までに気温上昇を再び1.5度まで引き下げられる確率が50%となるシナリオも示された。
その実現には、2050年ごろに気温上昇が約1.8度でピークに達した後、大量のCO2を大気中から除去し、気温をさらに引き下げる必要がある。しかし、このシナリオでは、直ちに排出削減を開始し、2035年まで毎年6%ずつ削減し続けることを前提としている。(c)AFP