【10月20日 AFP】ケニアの裁判所は19日、信者らを餓死させたカルト教団の指導者のポール・マケンジー・ヌセンゲ被告と関係者ら計29人に有罪判決を言い渡した。被告らは、子ども190人と成人1人を殺害した罪に問われていた。

教団の拠点は、ケニア東部のリゾート地マリンディから内陸に入った場所に位置していた。この拠点では2023年以降、数百体の遺体が見つかっている。マケンジー被告については、「イエス・キリストに会える」として信者らに死ぬまで断食するよう扇動していたことが指摘された。

モンバサの法廷でマケンジー被告は、他の28人と共に殺人罪で有罪を言い渡された。判決に対し、同被告は表情を変えることはなかった。

ダイアナ・カベザ・モチャチェ判事は、「検察側は、子ども190人と成人1人の殺害について、被告29人全員の有罪を立証したと確信できる」として有罪の判断を下した。

事件発覚から3年間で、子どもや女性、男性の遺体が多数掘り起こされ、発見された遺体の数は400人を大きく上回っている。

事件で娘と孫2人を含む家族8人を失ったフランシス・ワンジェさん(62)は、判決を「うれしく」思う一方、家族を失った悲しみは今も「非常につらく、重い」と語り、「家族が二度と戻ってこないことは分かっている。それでも、少なくとも一歩前進した」と続けた。

疎遠になっているマケンジー被告の息子のダンさん(24)も裁判を傍聴した。判決に「安堵している」とし、「犠牲者のために正義が実現した」と述べた。

検察側によると、マケンジー被告は、森の中に所有する約325ヘクタールの拠点で極端な断食を始め、信者らにその実行を指示した。教団には、まず子ども、次に10代の若者、女性、最後に男性の順に死ぬべきだとする「体系化された死の序列」が存在していたという。

72人の死因は餓死と確認された。このほか、窒息や首を手で圧迫されたこと、頭部への外傷による死亡例も記録された。また、110人の遺体は腐敗が激しく、死因を「特定できなかった」が、裁判所は状況証拠を基に、これらの犠牲者も餓死したと推認できると判断した。