■「ダビデとゴリアテ」

谷を隔てた農村地域のシュガーローフ郡区では、住民たちが高圧送電線の建設に反対している。送電線はデータセンターへの電力供給が目的とみられている。

シュガーローフ郡区の住民は、1万ドルの支払い案の対象には含まれていない。

「私たちが暮らす場所の美しさや静けさは、どれだけお金を積まれても取り戻せない」と住民のアニー・ビナティエリさんは語る。義理の両親、夫、幼い息子と同じ家で暮らしている。

2年近くにわたり送電線の建設に反対してきたビナティエリさんは「この闘いは、まるでダビデとゴリアテの戦いだ」と、旧約聖書に登場する、少年ダビデが巨人ゴリアテに立ち向かう物語になぞらえた。

それでも、テクノロジー企業側に対抗するために多くの住民が立ち上がったことに勇気づけられているとし、「住民たちの団結力には驚かされる」と話した。

近くに住むエリカ・クックさん(42)は、保険会社で働く在宅ワーカーだ。夫と共に数羽のニワトリを飼い、家庭菜園で野菜を育て、所有地の森ではカエデの木から樹液を採ってシロップも作っている。

しかし現在、その土地の一部が、巨大な送電鉄塔を建設するための土地収用手続きの対象となってしまったという。

それでも、共和党が選挙で圧倒的な強さを誇るこの地域で、クックさんは、データセンターへの反対運動には一つ良い面があると指摘する。

「党派を超えて、人々を団結させていることだ」(c)AFP/Myriam LEMETAYER