■「事実上の全体主義国家」

2022年にロシアを脱出したカシヤノフ氏は、ラトビアの首都リガで亡命生活を送っている。ロシア当局は2023年、同氏をスパイと同義の「外国のエージェント(代理人)」に指定した。

プーチン政権を批判する同氏は、ロシアの指導機構・エリート層のメンバーの一部と現在も連絡を取り合っていると明かし、「支配層には恐怖が渦巻いている。誰もが戦争の終結を望んでいる。圧倒的多数がそうだ」と語った。

「違いはどのような形での終結を望んでいるかだ。勝利による終結を望む者もいれば、プーチン氏の敗北による終結を望む者もおり、単に結果に関わらず終わってほしいと願う者もいる」

一方、一般のロシア市民の間では、死傷する兵士が増えていることや食料価格の高騰にもかかわらず「反政府運動の兆候は見られない」とし、「ロシアの人々は過去30年にわたる高インフレで耐えることに慣れてしまった」と指摘する。

ただし、新たに大規模な軍事動員が実施された場合には、街頭デモの引き金となる可能性があると付け加えた。

反プーチン派の亡命者団体がパリで主催した集会の合間に取材に応じたカシヤノフ氏は、ロシアがここ数年で「事実上の全体主義国家」になったと指摘した。

「ロシア社会には無力感や不信感、厳しい緊張感が漂っている」とし、「負の感情が互いに高まる中で、人々は自身の家族の中に閉じこもっている」と語った。

プーチン氏により解任された後、カシヤノフ氏は野党勢力に加わり、クレムリンの最も辛辣な批判者の一人となった。侵攻開始とその長期化は同氏にとっても衝撃だった。カシヤノフ氏は2022年、戦争は約2年続く可能性があるとAFPに述べていた。