■「遺体だけでも見つけたい」

首都カトマンズでは、行方不明者の写真が病院などに貼りだされた。家族や親族と連絡のつかない人が大勢集まり、情報を求めているのだ。

商業ドライバーのデブ・サプコタさん(58)は、83歳の義母と孫娘の写真のほか、数十人の写真を貼った。

サプコタさんは、2人が激流に流されるのを目撃した人がいることから、生存の可能性は低いと考えているが、「せめて遺体だけでも見つかればと思ってここにいる」とその胸の内を語った。

行方不明の親族を見つけることはできないと諦め、ヒンズー教の風習に従って象徴的な葬儀を執り行う人々もいる。

ジーバン・シュレスタさんは、「あらゆる場所を探し、全国の安置所を回ったが、遺体は見つからなかった」と語り、行方不明の父親に見立てた小さな藁人形に12歳の甥が火をつける様子をじっと眺めていた。

地域全体が押し流され、激しい雨が続く中、多くの被災者は仮設の避難所に身を寄せており、多大な支援が必要となっている。

道路や数十の橋は破壊され、発電所も壊滅した。甚大な被害を受けたヌワコット郡の警察当局は「極めて厳しい状況」と表情を曇らせた。

■損壊した建物は2500棟以上

欧州コペルニクス危機管理サービス(CEMS)のデータをAFPが分析したところによると、この災害で損壊した建物は2500棟以上に上る。これは、CEMSがこれまでに調査した3区域の全建物の約3分の2に相当する。

一部破損した建物を含めると、その割合は70%以上となり、土石流と洪水の凄まじさを物語っている。首都カトマンズの北に位置するティムレ、シャブルベシ、ビドゥルの一部を含むこれらの地域には約6000人が暮らしていた。

ネパールで3番目に人口が多い都市バラトプルの周辺地域の画像については、8月31日朝の時点でまだ分析が進められている。

住宅だけでなく、道路や橋も破壊されたため、支援物資の搬送や行方不明者の捜索活動はより困難な状況となっている。