■潜水艦戦

中国の海洋進出強化は、台湾への海路でのエネルギーや重要物資の搬入・搬出を阻む「港湾封鎖」への懸念を高めている。

海岸巡防署によると、中国は120隻以上の「海洋調査船」を運用しており、同署はそのうち台湾周辺海域で活動する41隻を監視・追跡しているという。

これには今年5月に台湾を周回し、制限水域の境界線に沿って航行しながら海岸巡防署の退去警告を無視した海洋調査船「同済」も含まれる。

海岸巡防署は同済の活動について、「海洋調査のための試料採取や海底調査」を行っていたとみられ、中国の「対潜水艦戦データベース」の構築に寄与する可能性があると分析した。

続いて6月には、台湾の東側海域で中国による初の法執行パトロールが実施された。

さらに今月、台風13号(国際名:ドルフィン)が接近した際には、中国側が台湾海峡における「交通規制措置」を発表する事態も起きた。

台湾の安全保障当局者は最近、周辺海域における中国の「権威主義(専制主義)的拡張主義」について、世界が行動を起こさなければ継続するだけだと警告し、中国政府の戦略を一度に大きな目標を達成しようとせず、サラミを薄くスライスするように小さな要求や行動を段階的に積み重ねることで、相手に気づかれないまま最終的な目的を達成する「サラミ戦術」と呼んだ。

米海軍大学校で中国の海洋戦略を研究するライアン・D・マーティンソン氏は、中国の調査船は民間の研究機関が所有・運用しているが、収集されたデータは人民解放軍に共有されていると指摘。

あくまで個人的な見解だと前置きした上で、「この種のデータや知見は、有事の際に当該海域で運用される中国海軍の部隊にとって極めて有用だ」「特に対潜水艦戦や潜水艦戦で重要となる」と解説した。