【8月25日 AFP】米国のドナルド・トランプ政権は24日、高度専門職向けのビザ制度を通じて外国人労働者を雇用する雇用主に対し、10万ドル(約1600万円)を超える手数料を課す案を提示した。

非正規・正規を問わず移民を制限することは、トランプ氏の主要な目標であり、彼の支持母体である「MAGA(アメリカを再び偉大に)」からも継続的に要求されている。

国土安全保障省が新たに提示した規則案によると、高度専門技能を持つ外国人向けの「H-1B」ビザに対する10万3265ドル(約1650万円)の手数料は、正規の移民システムの運用費用を回収するための「収益メカニズム」として機能するという。

トランプ氏は昨年9月、この制度が米国人労働者の雇用を奪うために悪用されていると主張し、10万ドルの手数料を課す大統領令に署名していた。

しかし連邦裁判所は今年6月、この手数料が議会の権限を無視した違法な課税にあたると主張する民主党主導の20州による訴訟において、この措置を無効と判断した。

一方、別の連邦裁判所は昨年12月、大統領には「経済および国家安全保障上の問題と認識した事項に対処するための幅広い法的権限」があるとして支持しており、司法の判断が分かれている。

今回の新たな提案では、米市民権・移民局(USCIS)、税関・国境警備局(CBP)、移民・税関捜査局(ICE)などの政府機関の費用に徴収分を充てるとしている。

その一方で、「米国の雇用主は、H-1B枠対象の申請を行う際に追加で10万3265ドルの手数料を支払う必要が生じれば、資格のある高度なスキルを持つ米国人よりもH-1B労働者を雇用する可能性が低くなるとも考えられる」とした。

米議会は1990年にH-1B制度を創設し、米国は現在、年間8万5000件のH-1Bビザを交付している。

公式データによると、2025会計年度においてH-1B労働者の70%がインド出身で、次いで中国(12%)、フィリピン、カナダ、韓国と続く。

アマゾン・ドットコムが最大の雇用主であり、2026会計年度には9000件以上のH-1Bビザの承認を受けている。

過去のH-1Bビザ取得者には、スペースXのイーロン・マスク氏やグーグルCEOのサンダー・ピチャイ氏など、著名なIT業界幹部が複数含まれている。(c)AFP