【7月29日 AFP】南アフリカ有数のフルーツ生産地で、ジンバブエ出身の農場労働者アーロン・マジャタムヘさん(33)は日が暮れたので仕事を終えて帰路に就いたが、果樹園にはまだ摘み取っていない鮮やかな色をした柑橘類の実がたくさん残っていた。

マジャタムヘさんはAFPの取材に対し、「いま多くの農場主が悲鳴を上げている。これらのナールチエ(南アフリカの言葉で小型の柑橘類のこと)を収穫しなければならないのに、人がいないからだ」と嘆いた。

マジャタムヘさんは、同様の人手不足はブドウ園にも迫っているとして、「ブドウの剪定適期を迎えているのに人がいない」と語った。

南アでは一部の外国人排斥団体が不法移民に6月末までの出国を要求するなど不法移民排斥運動が激化し、当局が不法移民の取り締まりを強化したのを受け、2か月で16万人以上の移民が帰国した。

その結果、全国の工場、農場、さらには一般家庭にいたるまで、各所で人手不足が生じている。

7月18日時点でジンバブエ人10万8366人が帰国したジンバブエの政府によると、帰国者の多くは農業、家事労働業、建設業で働いていた。

外国人労働者が帰国した影響は、クワズールー・ナタール州のサトウキビ生産地域ですぐに表れた。

同州北部臨海部のあるサトウキビ農家は、収穫作業員の約80%をほぼ一夜にして失ったと明かした。

外国人排斥団体の報復を恐れて匿名で取材に応じたこのサトウキビ農家は、「サトウキビの収穫と配送が難しく、製糖工場は操業困難な状況に陥っている」と語った。