■「逃げ場なし」

ジャマルディンさんとアフマドさんはいずれも西アフリカ沖で操業する船で働いており、そうした船はセネガルの首都ダカールで魚を水揚げする。

英ロンドンに拠点を置くNGO「環境正義財団(EJF)」が16日に公表した報告書によると、大西洋に面するダカール港は近年、西アフリカのフィニングの中心地となっている。

同財団のスティーブ・トレント最高経営責任者(CEO)は、フィニング業界を支配している中国の遠洋漁業船団とそれよりは規模が小さい台湾の遠洋漁業船団でにおいて、虐待やずさんな労務管理が「まん延」していると語った。

EJFの調査責任者を務めるカラム・ノーラン氏は、出稼ぎ漁船員は働き始める前から借金を背負わされ、事実上、「債務奴隷の罠(わな)」にはまっていると指摘した。海上では外界との連絡手段が限られるため、助けを求めることも困難だという。

ノーラン氏は「インドネシア人漁船員やフィリピン人漁船員の経験談を読んで、雇われるために手数料を支払う必要がなかったケースや、給与から不当な天引きをされていなかったケースを目にすることはほとんどない」「こうした船の絶望的な状況下で働いている男性たちには、つまるところ逃げ場がない」と語った。

漁業労働者の権利を守る団体「PSPインドネシア」の代表を務めるムハンマド・カファンディ氏は、インドネシア人漁船員は通常、ソーシャルメディアで外国漁船の求人情報を見つけるため、搾取に対して脆弱な立場に置かれやすいと指摘した。