「逃げ場なし」 中国などの外国漁船、インドネシア人船員を虐待・搾取
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【7月17日 AFP】外国の漁船で働けば良い稼ぎになるという甘い言葉に釣られ、インドネシア人男性のアフマドさん(25)は祖国を離れて海に出たが、外界から隔絶された状態で数か月に及ぶ虐待と搾取に耐える羽目になった。
政府統計によると、インドネシアは世界の漁業界で主要な労働力供給国となっており、数十万人の出稼ぎ漁船員を送り出している。
専門家によると、多くはオンラインで採用され、権利について適切な説明を受けないまま外国籍の船に配属されるため、虐待に対して脆弱(ぜいじゃく)な状態に置かれている。
2022年にインドネシア・ジャワ島のチルボンを離れたアフマドさんはAFPに対し、中国籍のマグロ漁船で働いていた時、1日に4時間しか休憩が取れなかったとして、「休みはなかった。(私たちは)働き続けなければならなかった」「とても疲れた。目が痛かった。少しでも眠そうにしていると、起きろ、働けと命令された」と語った。
アフマドさんによると、漁船員は外界との通信がほとんどできず、船上では日常的に心理的・身体的な虐待を受けていた。同僚の一人が船長に捕獲した魚を盗んだと疑われ、殴打されたこともあったという。
アフマドさんによると、その船はマグロだけでなくサメも捕獲し、ヒレだけを切り取ってから生きたままの胴体を海に捨てていた。
この漁法は「フィニング」と呼ばれ、米国や欧州連合(EU)を含む多くの国や漁場で禁止されているが、世界の一部地域では依然として利益の上がる事業活動として続けられている。
2018年から2020年にかけて別の中国籍の船で働いていたインドネシア人男性のジャマルディンさん(29)は、フィニングが違法である可能性を認識していたが、サメのヒレを切り取れという船長の命令に従わざるを得なかったと語った。
船長は厳しい人で、漁具の設置が遅れたり、道具が紛失したりすると、暴言を浴びせてくるという。
ジャマルディンさんは、同僚の一人が片手の肉や骨が露出するほどのけがをしたにもかかわらず治療も許されず、手を止めるな、働けと怒鳴られているのを見たこともあると語った。
「ストレスだったが、どうしようもなかった。すでに船に乗ってしまっていたから」。
ジャマルディンさんはパスポート(旅券)を船長に取り上げられており、早期に辞めると違約金などのペナルティーを科されるのではないかと恐れたため、契約期間を満了する以外の選択肢は考えられなかった。