中国、米国が目を逸らした隙に核攻撃能力誇示
このニュースをシェア
【7月10日 AFP】中国は6日、米国の関心がアジアではなく主に中東やイランでの紛争に向けられているタイミングで潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を実施し、核攻撃能力をあからさまに誇示した。
核弾頭も搭載可能なSLBMの発射は、米国のみならず太平洋諸国から批判されたが、間もなく覚書で戦闘終結を宣言したにもかかわらず米イランが攻撃の応酬を再開したことで影が薄れた。
米シンクタンク「ランド研究所」のネイサン・ボーチャンプムスタファガ上級政策研究員は今回の実験について、「中国政府が、自国の新たな核戦力の三本柱(トライアド)が確かなものであることを(国内と世界の両方に)誇示することに関心があることを示唆している」と指摘した。
核戦力の三本柱とは、陸・空・海から核兵器を発射できる能力で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略爆撃機、SLBMを指す。敵の先制攻撃による全滅を防ぎ、核兵器による確実な報復が可能となるため、米国などの敵対国に対する脅威が増大する。
だが、ボーチャンプムスタファガ氏は、「中国の核兵器開発計画において既知の能力を裏付けるものにすぎないとみられるため、米国や太平洋諸国にとって今回の発射実験は、技術的な面よりも、中国のデモンストレーションが持つ戦略的・政治的な象徴性の面での意味合いが大きい」と述べた。
中国が発射したミサイルに関する情報は限られているが、台湾はSLBM「巨浪2(JL2)」だと特定した。JL-2の最大射程は約7000キロで、今回は海中からではなく海面から発射された。
監視機関によると、ミサイルは原子力潜水艦から発射され、ソロモン諸島近海に着弾したとみられる。
米国防総省が2024年に連邦議会に提出した報告書によると、中国は戦略原子力潜水艦を6隻運用しており、1隻につき最大12基のSLBMを搭載可能となっている。