ETRIが開発に取り組んでいるAI-RANプラットフォーム=ETRI(c)KOREA WAVE
ETRIが開発に取り組んでいるAI-RANプラットフォーム=ETRI(c)KOREA WAVE

【06月11日 KOREA WAVE】韓国電子通信研究院(ETRI)が「6G AIネイティブ」分野におけるグローバル主導権争いに参入した。6G AIネイティブとは、無線アクセスネットワークの設計から運用までAIが組み込まれたネットワークを指す。

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材によると、ETRI知能無線アクセス研究室のペ・ジョンスク室長は9日、「AIベースの無線アクセスネットワーク技術であるAI-RAN(Radio Access Network:無線アクセスネットワーク)の中核技術確保に向けた研究開発に着手した」と明らかにした。

韓国科学技術情報通信省と情報通信企画評価院(IITP)は今年4月、ETRIを「国家指定AI-RANグローバル先導プロジェクト専門研究所」に指定した。AIベースの無線ネットワーク基盤技術の確保と検証体制の構築などに向け、グローバル協力体制を整備していく。

この事業にはETRIを中心に、SKテレコム、KT、LGユープラスなど韓国の移動通信大手3社をはじめ、HFR、ユーキャスト、クレバーロジックなどの通信機器・ソフトウェア企業が参加する。また、成均館大学、延世大学、ソウル大学、亜洲大学と、次世代モバイル研究組合、韓国情報通信技術協会(TTA)などの学術・研究機関も加わり、韓国内のAI-RAN研究エコシステムの構築に取り組む。

さらに、グローバル協力体制として、米国のノースイースタン大学やAI-RANアライアンス(国際連合体)、世界の通信標準を策定する3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)、O-RANアライアンスなどと連携し、技術協力および国際標準化を推進していく。

研究期間は2026年4月から2030年12月までの4年間で、研究開発予算として470億ウォンが投入される。

AI-RANの中核要素技術である6Gインテリジェント無線アクセス技術を実演するETRI研究チーム=ETRI(c)KOREA WAVE
AI-RANの中核要素技術である6Gインテリジェント無線アクセス技術を実演するETRI研究チーム=ETRI(c)KOREA WAVE

AI-RANは、既存の移動通信無線アクセスネットワークにAIを融合した次世代ネットワーク技術。ネットワーク資源の最適化や障害予測だけでなく、AIの学習・推論機能そのものをネットワーク内部に組み込むAIネイティブ構造を目指している。

最近のグローバル市場では、エヌビディア、サムスン電子、エリクソン、ノキア、ソフトバンクなどがAI-RAN技術の確保をめぐり激しい競争を繰り広げている。

研究チームは、基地局ソフトウェアベースのAI-RAN仮想ネットワークプラットフォームを構築し、AIベースの無線ネットワーク技術を学習・検証できる統合研究環境を整備する計画だ。

特に、国際移動通信標準である3GPPリリース19およびリリース21に基づくAI-RANソフトウェアを開発し、Massive MIMO環境まで反映したデジタルツインベースの仮想ネットワーク環境において、AIモデルの性能とネットワーク最適化技術を検証する。

Massive MIMOは、5G/6Gにおける大容量・高効率通信を実現するための中核無線技術であり、多数のアンテナを用いて複数の利用者に同時にビームを形成する大規模MIMO(多入力多出力)技術である。

研究チームは、仮想環境で検証されたAI制御技術を実際の基地局ベースの試験環境に適用し、運用の安定性と性能を確認する。

これにより、AIの学習・検証・再学習までの全サイクルを網羅するAI-RAN統合研究体制が確立されることが期待されている。

ETRIは今月4日、「AI-RANグローバル先導プロジェクト・キックオフワークショップ」を開催した。

ETRI移動通信研究本部のキム・イルギュ本部長は「AI-RANは6G時代の国家競争力を左右する中核技術だ」としたうえで、「AIベースの次世代無線ネットワーク基盤技術と検証体制を確保し、韓国がグローバルAIネイティブネットワーク市場をリードしていく」と述べた。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News