女性医師に酸攻撃、恐怖が深刻化する医師不足に拍車 パキスタン
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【6月10日 AFP】南アジアのパキスタンで女性医師を標的とした酸攻撃(アシッドアタック)事件が発生し、医療業界に大きな衝撃が走っている。9日には、医療従事者の安全確保と被害者のための正義執行を求めるストライキや抗議デモが行われた。
パキスタン南部クエッタ市の病院で6日、男がマフヌール・ナシル医師に向けて酸を投げつけた。クエッタがあるバルチスタン州首相府によると、ナシル医師は対表面積の7%に熱傷(やけど)を負ったという。
当局によると、男は逃走を試みたが、バス停で警官隊に射殺された。
男は同病院のエレベーター係、フマユン・シャー容疑者だった。
バルチスタン州首相の報道官は、ナシル医師はパキスタン最大の都市カラチで専門的な治療を受けており、将来的には国外での皮膚移植が必要になる可能性があると述べた。
この事件は、パキスタンの女性たちが直面している暴力のリスクやジェンダー格差を浮き彫りにした。パキスタンでは、嫌がらせ(ハラスメント)や襲撃への恐怖が、急速に深刻化する医師不足に拍車をかけている。
調査によると、医学部の学生数では女性が男性よりも多いが、卒業後に女性医師の約3分の1が離職する。
バルチスタン州を拠点とするジーナト・シャワニ医師はAFPに対し、「これは悲劇的な事件だ。女子教育にも負の影響を与えるだろう。病院が安全でないなら、娘をそこでの仕事や教育に送り出す親はいない」と語った。
酸攻撃では主に女性が狙われる。パキスタンは酸攻撃を犯罪化し、重い刑罰を科しているが、若手医師を代表する団体は、今回の事件を「安全対策の壊滅的な欠如」だとして非難している。
若手医師協会(YDA)バルチスタン支部のハイ・バローチ会長はAFPに対し、「事件は病院内の安全対策の不備によって引き起こされた。エレベーター係の男がどのようにして酸を持ち込み、白昼堂々、女性医師に投げつけることができたのか、徹底的に調査されるべきだ」と訴えた。