【6月3日 AFP】「完全に狂っている」「俺がいなければお前は刑務所行きだ」― ドナルド・トランプ米大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を怒鳴りつけた。対イランで共闘した盟友は今、イスラエルのレバノン攻撃を巡り、関係に軋轢(あつれき)が生じている。

米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が難航する中、イスラエルは、親イラン武装組織ヒズボラが拠点とするレバノンへの攻撃を続けている。イランは、レバノンでの攻撃停止が和平合意の条件の一つだと強調してきた。

トランプ氏は1日、ネタニヤフ氏と電話で会談した際、イスラエルがレバノンの首都ベイルートを爆撃すると警告したことが、米・イラン交渉の障害になっているとし、ネタニヤフ氏を罵倒した。米メディアが報じた。

米ニュースサイト「アクシオス」などによると、トランプ氏はネタニヤフ氏に対して「お前は完全に狂っている。俺がいなければお前は刑務所に入っていた。俺が助けてやっているのがわからないのか」と罵声を浴びせた。

さらに、「今や誰もがお前を嫌っている。このせいで誰もがイスラエルを嫌っている」と述べて怒りをあらわにしたという。

イスラエルのメディアはこの報道を否定。ホワイトハウスの関係者は、トランプ氏のSNSへの投稿以上にコメントすることはないとした。

トランプ氏は1日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、ベイルー​トに派遣予定だったイスラエル部隊は「すでに引き返して‌いる」⁠と述べた。

今回のイラン攻撃以降、右派の盟友は、それぞれの国内政治基盤が揺らいでおり、両者の関係が不安定になっていることが浮き彫りになった。

トランプ氏は、中間選挙まで6か月を切る中、米国経済に打撃を与えたイラン紛争の終結を模索している。今回の選挙では、共和党が議会の支配を維持できるかが焦点だ。

トランプ氏の共和党は、これまでイスラエル寄りの政策を支持してきたが、今回のイラン紛争では党内が二分している。4月のピュー・リサーチの調査によると、共和党員の57%がイスラエルに対して否定的だとして、昨年の50%から増加した。

トランプ氏を支持する「米国を再び偉大に(MAGA)」派の一部からも、トランプ氏はイスラエルの言いなりになっているとして、批判が相次いでいる。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、ネタニヤフ氏は、2月に攻撃開始を決めかねていたトランプ氏が決断する際、重要な役割を果たしたという。