【5月23日 AFP】西アフリカ・セネガルのウスマン・ソンコ首相は22日、同性愛を「押し付け」ようとする欧米の「横暴」を非難した。セネガルでは数週間前、同性同士の性行為に対する刑罰を最長拘禁10年に倍増する法律が成立したばかり。

イスラム教徒が人口の97%を占めるセネガルでは近年、LGBTQ(性的少数者)問題が議論を呼んでおり、LGBTQの権利擁護は「外国の価値観を押し付けるために欧米人が利用する道具」だとしばしば批判されている。

バシル・ジョマイ・ファイ大統領は3月末、国民議会で圧倒的賛成多数で可決された、同性同士の性行為に対する刑罰を最長拘禁10年に倍増する法案に署名し、同法を成立させた。同法に基づき、すでに数十人が逮捕されている。

ソンコ首相は議会での演説で、「一種の横暴が存在する。世界に人類はおそらく80億人存在するが、その80%以上が(同性愛を)望んでいない」と主張。

「アラブ諸国やアフリカ諸国がわが国を批判することはない。しかし、欧米と呼ばれる枢軸が存在し、他の国々に(同性愛を)強要しようとしている」「欧米には資金力があり、メディアを支配しているため、絶対的命令を押し付けようとしてくる。主権を有するセネガル国民は、ここセネガルでそのような慣行を望んでいない」と付け加えた。

ソンコ首相は、同性同士の性行為に対する刑罰を最長拘禁10年に倍増する法律が成立した後、外国、特にフランスからセネガルに対する多くの批判を耳にしたと主張。

「彼らがそのような慣行を選択したのならそれは彼らの問題なので構わないが、われわれが彼らから教訓を得る必要など、まったく、これっぽっちもない」述べた。

演説中に議員たちから何度も拍手喝采を浴びたソンコ首相は、必要であれば法律をさらに厳格化する意向を示した上、司法当局に対し、この法律を「全面的に」適用するよう促した。

新たな法律では、同性同士の性行為を指す言葉である「自然に反する行為」に対する刑罰が従来の拘禁1~5年から拘禁5~10年に引き上げられた。

また、同性同士の性行為を促進したり、資金を提供したりした者に対しても3~7年の拘禁刑を規定している。

今月、フランスの左派系日刊紙リベラシオンに掲載された声明で、アフリカ系の著名人ら約30人のグループが同法の一時停止(モラトリアム)を呼び掛けたが、ソンコ首相はこれを拒否した。

このグループは、同法が成立して以来、セネガルで「恐怖、憎悪、暴力の風潮」が蔓延していることに対抗して声明を出したと述べた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク高等弁務官は、同法を「神聖で犯すことのできない人権に真っ向から反するものだ」と批判している。(c)AFP