【5月8日 AFP】米民主党のプログレッシブ(進歩派)と呼ばれる急進左派の議員らは米政界で数十年にわたって続いてきた超党派の沈黙を破り、イスラエルの核兵器保有疑惑を追及するよう求めた。

イスラエルは1960年代に核兵器を開発したと確実視されているが、核兵器保有を肯定も否定もせず「核の曖昧政策」を維持している。イスラエルの核兵器保有は国際的な監視の対象にもなっていない。

ホアキン・カストロ下院議員率いる民主党議員約30人は、ドナルド・トランプ大統領がイスラエルと共同で対イラン軍事作戦を実施したことを受け、米国は明確な回答を求めていると述べた。対イラン軍事作戦は、イランが民生用と称して核兵器開発を企てているという疑惑を背景としている。

民主党議員らは6日夜に公開した書簡で、「米国が直接関与している紛争の中心国の一つであるイスラエルの核兵器能力について公式に沈黙を守りながら、イランの民生用核開発計画やサウジアラビアの民生用核開発の意図を含む中東における一貫した核不拡散政策を策定することは不可能だ」と指摘。

「米国が核兵器の開発または保有を追求する可能性のある他の国に求めるのと同じ透明性基準を、イスラエルにも適用するよう求める」と付け加えた。

民主党議員らはマルコ・ルビオ国務長官に対し、イスラエルの核能力と核ドクトリン、そしてイスラエルがイランに超破壊的な核兵器を使用する可能性について、5月18日までに回答するよう求めた。

また、イランがイスラエルのディモナ郊外にある「公然の秘密」の核施設を攻撃した場合の米市民のリスクについても評価するよう求めた。3月にはイランのミサイルがディモナに着弾し、数十人が負傷した。

トランプ政権がイスラエルの核開発計画について何らかの対応を取る可能性は極めて低い。トランプ政権に限らず歴代政権は党派を問わず、この問題について長らくコメントを拒否してきた。

2006年、当時のロバート・ゲイツ国防長官はイランについて議会で証言した際、イスラエルの核開発計画を間接的に認めたように見えた。

2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃後、イスラエルの極右閣僚がパレスチナ自治区ガザ地区への核攻撃の可能性を示唆したが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの発言から距離を置いた。

この書簡に署名した著名な民主党議員には、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員やロー・カンナ下院議員らがいる。

民主党はイスラエル批判を強めている。同党は、トランプ氏がイスラエルと共同で対イラン軍事作戦を開始したことをほぼ全面的に非難しており、多くの議員は、ジョー・バイデン前大統領がガザにおけるイスラエルの執拗な軍事作戦に対し、もっと強硬な姿勢を取るべきだった批判している。(c)AFP