米国への併合求める請願書に署名すれば3100万円、「米国人」がグリーンランド住民の買収試み
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【5月8日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドのイェンスフレデリック・ニールセン首相は7日、米国人が地元住民に20万ドル(約3100万円)を提示し、グリーンランドの米国への併合を求める請願書に署名するよう求めたとされる行為を「破廉恥だ」と非難した。
ドナルド・トランプ米大統領は、米国が国家安全保障を確保するためにはグリーンランドを併合する必要があると繰り返し主張している。
ニールセン氏はフェイスブックへの投稿で、「外国人がグリーンランドを他国に併合するための署名に金銭を提示している。これは深く憂慮すべき事態であるだけでなく、破廉恥だ」と述べた。
グリーンランドの放送局KNRは7日、政庁所在地ヌークで、「クリフ」と名乗る「得体の知れない米国人」がタクシー運転手に対し、請願書に署名すれば見返りとして20万ドル支払うと提示したと報じた。
このタクシー運転手のダニー・ブラントさんはKNRに対し、申し出を断ったと語った。
ブラントさんが自身の体験をソーシャルメディアに投稿すると、コメント欄には自分も同様の申し出を受けたという人々の書き込みが寄せられた。
ブラントさんはこの件を警察に通報したという。
グリーンランド警察はAFPに対し、「現在の政治情勢との関連を否定できない通報を受けている」と述べたが、通報件数やその内容については明らかにしなかった。
ニールセン氏は、「グリーンランドは民主主義社会だ。グリーンランドの未来はタクシーの車内で交渉されるものではない。金で買えるものでもない」「グリーンランドに関する決定はわれわれ自身が行う。これくらい理解できるだろう」と述べた。
トランプ氏は1月、数週間にわたって繰り返していた攻撃的な発言を撤回し、北大西洋条約機構(NATO)事務総長とグリーンランドに関する「枠組み」合意に達したと発表したが、その詳細は依然として不明瞭だ。
デンマーク政府とグリーンランド自治政府は、デンマークの将来について米政府と協議を進めている。(c)AFP