【4月14日 CNS】1700億元(約3兆9338億円)、この額の投資は、どこであれ決して小さな金額ではない。そして、現在の状況に照らして見れば、単なる経済的な数字以上の意味を持っている。

新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)と新疆生産建設兵団は3月13日、国務院国有資産監督管理委員会と共に北京で「2026年中央企業産業振興新疆活動座談会」を開催した。またこの座談会に先立ち、自治区と兵団は18社の中央企業と協力協定を締結した。協定は92のプロジェクトにおよび、エネルギー、鉱物、計算資源(コンピューティング)、設備製造などの分野にわたり、新疆において約1700億元の産業投資が見込まれている。

この座談会が開催された時期は、大変に意義が深い。

中東は現在、ここ数年で最も緊迫した局面を迎えている。ホルムズ海峡の上空には暗雲が立ち込め、世界のエネルギー市場は緊張し、国際原油価格は一時1バレル120ドル(約1万9109円)を突破した。まさにこうした情勢のもと、中央企業は新疆に対して大規模な投資を決定した。これは偶然だろうか?

中国は世界最大の原油輸入国であり、その大きな部分がホルムズ海峡を通過する。この海上交通路が妨害を受ければ、国内のエネルギー供給に少なからぬ影響が及ぶことは必至である。そして新疆は、まさにこの難題を解決する鍵を握っている。

新疆の太陽光発電の技術的開発可能量は全国首位、風力資源は全国第2位である。地元紙「新疆日報」によれば、「第14次五か年計画(2021-25)」期間中、新疆ではすでに6つの1000万キロワット級の新エネルギー基地が完成し、新エネルギー設備容量は1億6900万キロワットに達し、全新疆の電力設備容量の64%を占めている。送電量は年平均6%増加しており、そのうちグリーン電力の割合は3割を超えている。

石油に代わるものとして、新疆の石炭もまた重要な役割を果たす。石炭は化学原料の母体である。地元メディアによれば、近年、新疆の石炭化学産業は急速に発展しており、石炭は天然ガス、化学肥料、メタノール、オレフィンなど数十種類の化学品や新素材に精製・加工されている。ラフな統計によると、新疆で計画中および建設中の石炭化学プロジェクトの総投資額は5000億元(約11兆5700億円)を超える。24年、新疆の原料炭生産量は5億4100万トンに達し、成長率は4年連続で全国の主要石炭生産省の中で首位を維持している。

中央企業によるこの1700億元は、エネルギー、鉱物、計算資源、設備製造などに投じられるが、その中でもエネルギーが最重点分野とされている。今回の協力協定では、国家電力投資集団(SPIC)、中国華能集団、中国華電集団という3つの主要なエネルギー中央企業が、いずれも現場で正式な協力文書に調印し、協力のレベルと規模がさらに向上した。

公開資料によれば、国家電力投資の新疆における電力設備容量に占めるクリーンエネルギーの割合は90%を超え、中国華電の新疆におけるクリーンエネルギー設備容量の割合は60%近くに達し、「第13次五か年計画(2016-20)」末期と比較して33ポイント上昇した。

深いレベルで見れば、エネルギー中央企業による新疆への投資は、単なる生産能力の拡大ではなく、国家の「エネルギー安全保障」に二重の保険をかけるものである。例えば、中国華電は、全国的なエネルギー資源戦略的保障基地の建設、クリーンエネルギーの開発利用、戦略的新興産業の発展などの分野における協力を一層拡大し、新型エネルギー体系と新型電力システムの構築を加速させると表明している。

注目すべきはエネルギーだけではない。もう一つの重要なシグナル、すなわち計算資源(コンピューティング)への投資を見落としてはならない。「算電協同(コンピューティングと電力の連携)」は今年初めて「政府活動報告」に盛り込まれ、新インフラプロジェクトとして明確に位置付けられた。そして新疆ではすでに積極的な布石が始まっている。

「塔城緑色低炭素知算産業園」にはすでに22社の計算資源関連企業が進出し、計画される総計算能力規模は7万5000P(ペタフロップス)に達する。「ハミ・イウ計算資源イノベーション実証区」では「天山智谷(シリコンバレー)先端計算クラスター」が6万P(ペタフロップス)超の計算資源規模を計画している。

計算資源は高エネルギー消費産業だが、新疆には全国で最も安価なグリーン電力がある。東部地域のAIトレーニングや機械学習などのビジネスシーンが西部へ移転すれば、新疆は真にエネルギー輸出地から計算資源輸出地へと転換することができる。このことの意義は、石油や天然ガスといった伝統的なエネルギー供給の安全保障に劣らないほど大きなものだ。

中東の混乱がもたらしたもう一つの示唆は、陸上のエネルギー回廊(ルート)の戦略的価値が再認識されたことである。

新疆はユーラシア大陸の内陸部に位置し、中央アジアや西アジアといった複数のエネルギー豊富な地域に隣接しており、中国・ロシア間や中央アジアを経由する天然ガスパイプラインの通過地である。従来の海上通路のリスクが高まれば、陸上通路は第2の選択肢となる。

自治区党委員会の陳小江(Chen Xiaojiang)書記は座談会で「新疆の地理的優位性を活かし、新疆がアジアとヨーロッパを結ぶ黄金の回廊となり、西への開放の橋頭堡となるよう、中央と地域の協力を深めていかなければならない」と述べた。この言葉に込められた真意は、中央企業の投資は新疆に対するものであると同時に、国家の西への開放戦略に資するものでもあるということだ。

ホルムズ海峡の荒波は、いつかは収まるだろう。しかし、エネルギー安全保障の警鐘は決して止むことはない。中央企業が新疆に大規模な投資を行うのは、一時の思いつきではない。世界のエネルギー地図が再構築される今日、中国には十分に広大で、十分に安定した後方基地が必要なのである。

1700億元の投資が新疆にもたらすのは、プロジェクトだけではない。それには国家としての自信と確かな支えも含まれている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News