「ハルマゲドン」に十字軍、宗教色強まるイラン戦争
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【4月4日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は対イラン軍事作戦を遂行する中、ホワイトハウスの大統領執務室でキリスト教の牧師たちと面会した。牧師たちは厳粛な面持ちで、トランプ氏の肩や腕に手を置き、祝福を与えた。
合衆国憲法修正第1条で政教分離が定められているにもかかわらず、米国はイスラム教シーア派の指導者が率いる神権体制のイランとの戦いにおいて宗教を援用しており、トランプ政権の高官の一部は、対イラン攻撃をまるで神聖な使命であるかのように捉えている。
キリスト教の復活祭(イースター)までの1週間「受難週(聖週間)」の行事で、フランクリン・グラハム牧師はトランプ氏に対し、旧約聖書のエステル記に言及し、その中で「イラン人」(歴史的正確さについては議論があるペルシャの王)がユダヤ人を皆殺しにせよと命じたと述べた。グラハム牧師は、米国のキリスト教福音派伝道師で、保守派を中心に政界にも強い影響力を持ったビリー・グラハム師の息子。
グラハム牧師は、「きょう、イラン人、この邪悪な政権は、すべてのユダヤ人を殺し、核の炎で滅ぼそうとしています。しかし、主はトランプ大統領を立ち上がらせになられました。このような時のために彼を立ち上がらせたのです。父なる神よ、彼に勝利を与えたまえ」と語った。
グラハム牧師は言及しなかったが、ペルシャ帝国のキュロス2世(キュロス大王)は、バビロン捕囚のユダヤ人を解放し、彼らに自由を与えた最初の国家指導者だ。キュロス2世は今も、ペルシャ帝国の系譜を継ぐイランの国民に崇敬されている。
エステル記の物語は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も繰り返し引用している。ネタニヤフ氏はユダヤ教の過ぎ越しの祭りで、米国と共同で実施している対イラン軍事作戦をユダヤ人のエジプトの奴隷状態からの解放「出エジプト(エクソダス)」になぞらえた。
1979年のイラン(イスラム)革命以来、イランは神権体制を取り、イスラム教シーア派の宗教指導者が最高指導者を務めている。
イラン軍は、米イスラエルとの戦いを「カルバラーの戦い」になぞらえている。カルバラーの戦いとは西暦680年に現在のイラク中部カルバラーで起きた戦い。イスラム教の預言者ムハンマドの孫フサインがウマイヤ朝軍に敗れ、戦死(殉教)したもので、シーア派は暴政に立ち向かう殉教と自己犠牲の行為として記念している。