コアラ100匹以上救った「英雄犬」、現役引退 オーストラリア
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【3月25日 AFP】オーストラリアでコアラ100匹以上を森林火災から救った功績で知られる災害救助犬「ベア」が、10年の任務を終えて引退する。
ベアは11歳のオーストラリアン・クーリーで、オーストラリアで初めてコアラの毛の匂いを嗅ぎ分ける訓練を受けた犬の一匹だった。
国際動物福祉基金(IFAW)は、犬を使ってコアラを探す手法を「斬新な」アプローチと呼んだ。
IFAWのプログラム責任者、ジョージー・シャラード氏は23日のベアに関する声明の中で、「誰もそれが可能かどうか分からなかった」と述べている。
ベアは子犬の頃、有り余るエネルギーのせいで屋内でじっとしているのが苦手だったが、森の中で真の才能を発揮した。
「ゴールドコーストのアパートの壁をかじっていた彼が、今ではオーストラリアの森を駆け回り、オーストラリアを代表する動物たちを救う使命を担っている」とシャラード氏は語った。
2019年末から2020年初頭にかけてオーストラリア東海岸を襲った「ブラックサマー(黒い夏)」と呼ばれる大規模な森林火災で、ベアはコアラ100匹以上を救出した。この火災は数百万ヘクタールもの土地を焼き尽くし、家屋数千棟を破壊し、都市を有害な煙で覆い尽くした。
ベアはアニマル・オブ・ザ・イヤー賞やパピー・テイルズ・フォト誌主催のオーストラリアン・ドッグ・オブ・ザ・イヤー賞など数々の栄誉に輝いたほか、ドキュメンタリー映画『Bear: Koala Hero』や書籍「Bear to the Rescue」の題材にもなった。
ベアは今後、元ハンドラーの一人と共にサンシャイン・コーストで穏やかな生活を送り、おなかをなでてもらったり、大好きなボール遊びを楽しんだりする予定だ。
ベアの元ハンドラーの一人、ロマネ・クリステスク氏は、「ベアは10年間、コアラのために精力的に活動した大使だった」「彼は世界中の人々の心を解かし、気候変動とその影響、特に絶滅の危機にひんしているコアラをはじめとする多くの動物種への影響について、重要かつ困難な議論を行うための扉を開いてくれた」と語った。(c)AFP