【3月20日 AFP】米イランの核協議を仲介したオマーンのバドル・ブサイディ外相は19日付の英誌エコノミストに掲載された寄稿文で、米国とイランが戦争を回避するための合意は「実現可能に見えた」と述べ、現在進行中の中東紛争の責任はイスラエルにあると非難した。

バドル氏は、通常用いる外交的な言い回しを捨て、今回の紛争を「大惨事」と呼び、ドナルド・トランプ米大統領率いる政権は「自国の外交政策をコントロールできなくなっている」と述べた。

バドル氏によると、米国とイランは過去9か月間で昨年6月を含む2度、「真の合意間近」にあった。

協議は昨年6月、イスラエルと米国による対イラン攻撃で中断された。2月6日にオマーンで再開された第2ラウンドの間接交渉をバドル氏が仲介。最終ラウンドは2月26日にスイス・ジュネーブで開催された。

バドル氏は、「2月28日、最新かつ最も実質的な協議の直後、イスラエルと米国は、一時は実現可能に見えた和平を再び違法な軍事攻撃で打ち破った。衝撃的ではあったが、驚きではなかった」と記している。

専門家らは、ジュネーブで話し合われた内容の詳細が極めて重要だと指摘している。なぜならトランプ氏は、イランの核開発計画が「差し迫った脅威」であるとして、対イラン攻撃を正当化したからだ。

バドル氏は、「イスラエルの指導部」が「最初の攻撃とイラン最高指導者アリ・ハメネイ師の暗殺の後、イランは速やかに無条件降伏するだろう」としてトランプ氏を丸め込んだと非難。

「言うまでもなく、米政権の最大の誤算はこの戦争に巻き込まれるのを許してしまったことだ」と付け加えた。

さらに、「米国の友人として真実を伝える責任がある」と続け、そのメッセージの一つとして「米国が自国の外交政策をどれほどコントロールできなくなっているかを示すこと」を挙げた。

英紙ガーディアンは今週、ジョナサン・パウエル英首相補佐官(国家安全保障担当)がジュネーブで行われた米イラン協議の最終ラウンドに出席し、イランの提案を「戦争突入を回避するのに十分なほど重要なもの」と評価したと報じた。

協議について説明を受けた匿名の元当局者は同紙に対し、「英国チームはイラン側が提示した内容に驚いた」と語った。

報道によると、米国の交渉団はスティーブ・ウィトコフ中東担当特使と、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏で構成されていたが、複雑な核問題について助言する専門家チームは同行していなかった。(c)AFP