【3月24日 東方新報】中国中央電視台(CCTV)は15日、消費者問題を扱う特別番組「3・15晩会」を放送した。中国では毎年3月15日が「国際消費者権益デー」とされており、この番組では食品安全や医療美容、金融サービスなどの分野で消費者の権利を侵害する違法行為が取り上げられる。今年は「安心して消費できる社会と質の高い生活」をテーマに、複数の企業や業界の問題が報じられた。

番組ではまず、いわゆる「ネット人気商品」として販売されている鶏爪(鶏の足)の加工現場が紹介された。取材では、工場内に強い臭気が漂い、床には汚水がたまり、食品が衛生的とは言えない環境で扱われている様子が確認されたという。さらに、見た目を良くするために過酸化水素で漂白する工程が行われていたとされる。過酸化水素は殺菌剤などとして用いられる化学物質だが、中国の規定では鶏爪の加工に使用することは禁止されている。

また、近年美容医療の分野で注目されている「エクソソーム」をめぐる販売の実態も取り上げられた。番組によると、一部の企業が臨床試験や国家の認可を受けていない製品を、老化防止や疾病治療に効果があると宣伝して販売していたという。価格は数万元(1万元=約23万1213円)に及ぶケースもあり、消費者からは感染症やアレルギーなどの被害を訴える声もインターネット上で見られると紹介された。

さらに、身長を伸ばせるとうたうサービスを提供する機関についても問題が指摘された。取材では、青少年向けの「物理的増高」プログラムを掲げる事業者が、医学的な裏付けや臨床データがないままサービスを提供しているとされ、成人でも身長を伸ばせると宣伝していたケースが紹介された。

高齢者を対象とした健康関連商品の販売手法にも焦点が当てられた。番組によると、業者は低価格で仕入れた医薬品や健康食品を、健康講座の動画などを通じて高齢者に販売していたという。動画では「専門家」や「医師」を名乗る人物が登場し、SNSの閉じたコミュニティーへ消費者を誘導するなど、いわゆる「私域マーケティング」と呼ばれる手法が使われていたと報じられた。商品価格は仕入れ値の数倍になる場合もあるという。

このほか、電動自転車のレンタル事業者が国家基準を超える速度で走行できる車両を貸し出していた問題や、AIの大規模言語モデルに特定の商品を優先的に表示させるため、データ操作を行うサービスの存在、さらには「利益を折半する」として投資家を誘う株式推薦ビジネスなども取り上げられた。

中国ではこの「3・15晩会」をきっかけに、消費者問題に対する行政調査や企業の是正措置が行われることも多い。番組で指摘された問題について、今後どのような対応や規制強化が進むのかが注目されている。(c)東方新報/AFPBB News