イラン紛争、「唯一の勝利者はロシア」 EU大統領
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【3月11日 AFP】欧州連合(EU)のアントニオ・コスタ大統領(欧州議会常任議長)は10日、イランでの紛争でロシアが唯一の勝利者となっていると指摘し、米国とイスラエルの対イラン攻撃とそれに対するイランの報復によるエネルギー価格の高騰でロシアが利益を得ていると嘆いた。
コスタ氏はブリュッセル駐在のEU各国の大使の年次会合で、軍事力と関心がウクライナから中東に移ったこともロシアに利益をもたらしたとして、「これまでのところ、この戦争の唯一の勝利者はロシアだ」と語った。
「ロシアは国際法を無視することでウクライナを着実に弱体化させている。エネルギー価格の上昇に伴い、ウクライナとの戦争に必要な新たな資金源を得ている」と付け加えた。
イラン紛争は世界のエネルギー・輸送部門を混乱させ、イランの報復攻撃がペルシャ湾を襲う中、原油輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上封鎖されている。
ロシアの石油・ガス収入の抑制は、ウクライナに侵攻する同国の財政を圧迫することを目的とした西側諸国による制裁措置において、長年の焦点となってきた。
ウクライナはまた、ロシアによるエネルギーインフラや都市への攻撃を受ける中、防空システムも切実に必要としている。だが、イランの報復攻撃により、中東でもこうした防空システムの需要が高まっている。
コスタ氏は、「われわれは新たな現実を認識している。ロシアが平和を侵害し、中国が貿易を混乱させ、米国が国際ルールに基づく秩序に挑戦するという現実だ」と述べた。
EUは「長年苦しんできたイランの国民」と共に立ち、その「自らの未来を決定する」権利を支持するが、「自由と人権は爆弾によって達成できるものではない。それらを支えるのは国際法だけだ」と主張。
「われわれはさらなるエスカレーションを避けなければならない。そのような道は中東、欧州、そしてそれ以外の地域を脅かす」と付け加えた。(c)AFP