中国の新たな消費、中国で広がるペット保険
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【3月16日 CNS】「ペットの治療費はやっぱり高い。うちのワンちゃんに保険をかけておいたから、治療費のかなりの部分が戻ってきた」。ペットを飼う七七(Qiqi、仮名)さんは先月、自宅で飼っている小型のトイプードルの虫歯やぐらつきがあった14本の歯を治療し、2800元(約6万3341円)余りを支払ったが、保険で1700元(約3万8457円)余りが払い戻された。現在、中国ではペットブームが続き、ペットの健康管理に対する需要も高まっている。新たな保障手段としてのペット保険は徐々に飼い主の関心を集め、人気の消費分野となっている。
中国のSNS上で共有されている飼育体験を見ると、ペットの一般的な病気の治療費は1回あたり200元(約4524円)余りから2000元(約4万5243円)余りまで幅がある。再発しやすく根治が難しい病気では、さらに費用がかさむ。心臓病や腫瘍などの複雑な病気にかかった場合、短期間で1万元(約22万6219円)を超える医療費がかかるケースも珍しくない。
「軽い病気でも数千元(1000元=約2万2621円)、重い病気なら1万元超」が常態化し、ペット保険への需要を直接的に生み出している。現在、中国市場のペット保険には医療保険、賠償責任保険、傷害保険などがあり、このうち医療保険は20種類以上が販売され、主に猫や犬を対象としている。中国平安保険(Ping An Insurance)や国泰保険(Cathay Insurance)なども関連商品を展開している。
中国平安保険の担当者によると、医療保険は主に通院や治療費を補償するもので、商品によっては傷害補償も含まれる。賠償責任保険は、ペットが他人の身体や財産に損害を与えた場合の賠償をカバーする。中国では当初、ペット向けの保険は主に賠償責任保険が中心だったが、ここ10年で医療保険が徐々に拡大し、現在ではペット保険市場における保険料収入の半分以上を医療保険が占めている。
「使わないに越したことはないが、備えておきたい」。突発的な医療費への備えが、中国の飼い主が保険に加入する主な理由だ。実際、その価値を実感する消費者も少なくない。上海市民の夏媛(Xia Yuan)さんは、飼い猫が異常出血で受診し430元(約9727円)を支払ったが、保険適用後の自己負担はわずか46元(約1040円)だったとし、「感動的だった」と話す。四川省(Sichuan)の何篳(He Bi)さんは、猫の膀胱炎治療に2745元(約6万2097円)かかったが、事前に加入していた保険で1500元(約3万3932円)が払い戻された。「前もって保険に入っていて本当によかった」と語った。
阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)系の保険仲介サービス「螞蟻保」の関係者によると、ペット医療保険の年間保険料は数百元(100元=約2261円)から1000元超まで幅があり、補償額は数千元から数万元に設定されている。主力商品はおおむね400元(約9048円)前後だという。
インターネットプラットフォームのデジタル化・スマート化が進む中、ペット保険のオンライン化が主流となっている。若い世代を中心に、支付宝(アリペイ、Alipay)や騰訊(テンセント、Tencent)、京東(JD.com)などのオンラインプラットフォームを通じて保険に加入し、契約内容の確認や事故報告、保険金請求などをオンラインで行うケースが増えており、手続きの効率は大きく向上している。
必要書類がそろっていれば、オンラインでの保険金請求は迅速だとする声も多い。北京市民の皓軒(Hao Xuan)さんは、アリペイで飼い犬の医療保険に加入し、月30元(約678円)余りを支払っている。ある胃腸内視鏡手術で2000元が補償対象となり、申請からわずか3日で保険金が振り込まれたという。
一方、インターネット上では、補償のハードルが高い、支払いまでに時間がかかる、宣伝内容と実際の支払額が一致しないといった批判の声もある。ただ、北京市民の嘟嘟(Dudu、仮名)さんは、3匹の猫を飼い、これまで6回保険金請求を行ったが、規定通りに手続きを進め、必要書類をそろえた結果、いずれも3日以内に支払いが完了したという。加入時にはプラットフォームの規定をよく確認し、証明書類をきちんと保管するよう呼びかけている。
中国のペット保険市場はまだ発展の初期段階にあり、今後の成長余地は大きい。西南大学(Southwest University)動物医学院の胥輝豪(Xu Huihao)副教授は、将来的には保険会社が疾病分類や適用薬品リストなどの細則をさらに整備し、さまざまなケースに応じた選択肢を提供することで、より多くのペットの加入ニーズに応えられるようになるべきだと指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News