【2月24日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は24日、ロシアによる侵攻開始から4年の節目に際し、首都キーウの大統領府敷地内にある地下施設で撮影した国民向けのビデオ演説を公表した。

ゼレンスキー氏は、地下トンネルを歩きながら、2022年2月24日のロシア侵攻への対応をこの場所から始めたと説明した。同施設は「抵抗の原点」として国民の間で象徴的な存在となっているが、その全容に迫る詳細な公開は今回が初めてだ。

狭い白壁の部屋に置かれた黒い革張りの椅子に座り、「戦争が始まったとき、このオフィス――バンコバ通りの地下にあるこの小さな部屋で、世界の指導者たちと最初の電話会談を行った」と語った。

当時、米国のバイデン大統領から「ボロディミル、脅威が迫っている。緊急にウクライナを離れる必要がある。われわれはそのための支援を準備している」と告げられた際には、「私に必要なのは乗り物ではなく、弾薬だ」と答えたのだと話した。

低い天井の狭い廊下から分岐する小部屋には、大統領府、閣僚会議、議会など政府の各部門が配置されている。公開された動画には、各部屋に十数脚の椅子やモニター画面、ウクライナ国旗が置かれている様子が映し出された。

細長い施設の壁には黒いケーブルが走り、天井には巨大なガス管や配電盤が固定されている。身長約170センチのゼレンスキー氏は、露出した配線や制御装置を避けるように身をかがめて移動した。

大統領府に通じる厚い金属製の扉の前には、ウクライナの地図が掲げられ、その上には白いハトと「神よ、ウクライナを守りたまえ」という一文が記されていた。

ゼレンスキー氏は「ここで軍との調整や解決策の模索、武器や食料の配送手配など、ウクライナが耐え抜くために必要な全てが行われた」と説明した。

トランプ米大統領から領土割譲を含む和平案の受け入れを迫られ、長引く戦闘で国民の疲弊感が高まる中、約19分間にわたる演説は、開戦時の抵抗精神を呼び起こし、国民を鼓舞する狙いがあるとみられる。(c)AFP