【02月20日 KOREA WAVE】
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「これはどの注文ですか? ソースをもう少しお願いします」

今月12日午前、ソウル市衿川区にある「チャッカン(やさしい)ピザ1号店」の厨房で、クォン・ミョンオクさん(65)の声が響いた。レシピを目で追いながら、手際よく生地にチーズをのせ、その上にプルコギを広げていく。具材を整えると、1枚のプルコギピザが完成した。

「近くで卒業式でもあったのか、出勤して30分で30枚以上の注文が入りました」。誇らしげな笑みを浮かべる。

クォン・ミョンオクさんは昨年12月から同店で働き始めた。長年、専業主婦として過ごし、知人の紹介で高齢者向け就労事業の編み物活動に参加。その後、「ピザ作りに興味がわき、挑戦してみたくなった」という。

「最初は調理研修で戸惑いましたが、主婦としての経験があったので、すぐに慣れました」

この「チャッカンピザ」は、衿川区が進める高齢者雇用事業の一環だ。社会福祉法人衿川シニアクラブが韓国老人雇用開発院の公募事業に選定され、区から建物保証金などの支援を受けて開業した。飲食やサービス分野の経験や意欲を持つ高齢者に安定した働き口を提供するのが目的だ。

現在は1人当たり月最大59時間まで勤務可能で、満額勤務で約60万ウォンが支給される。

「家にいるだけの毎日とは違う」

クォンさんは、初めて家族に自分で作ったピザを持ち帰った日のことを忘れられないという。

「『ママがこれを作ったの?』『すごくおいしい』と言われて、本当にうれしかった。年を重ねて家にいるだけだった生活から、出勤するようになって活力が生まれました」

自分で稼いだお金で子どもたちにごちそうできることも喜びだと語る。

この日ペアを組んだパクさん(73)は、生地を伸ばす作業に集中していた。「編み物チームで一緒だったので、目が合うだけで息が合います。ピザ作りがどんなものか気になって参加しました」と話す。

「最初は緊張して大変でしたが、今は忙しさに没頭しています。お店で売られているようなピザを自分の手で作れることが誇りです」

同店は今後、地域児童センターなどへの寄付も検討している。運営が安定すれば、時給をソウル市の生活賃金水準まで引き上げ、勤務時間も徐々に拡大する計画だ。

衿川シニアクラブ館長は「高齢者に安全な職場と生活に必要な賃金を提供すると同時に、収益の一部を児童養護施設や地域児童センターなどに還元したい。2号店の開設も検討している」と話した。

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