【1月29日 AFP】イタリアのシチリア島で25日、大規模な地滑りが発生し、被災地の住民約1500人が避難を余儀なくされた。イタリア南部は先週、非常に強い嵐が襲い、大雨に見舞われていた。

避難住民の一人、ガエターノ・フェレラさんは「何も持たずに家を去るのはつらいことだ。子どもの頃からずっとここに住んでいたんだ」と家のドアに鍵をかけながら、感情を抑えきれない様子で語った。

16歳の双子の娘と高齢の両親を含む家族と共に避難したフェレラさんは、自宅に戻れるのか現時点では分からない。専門家は、さらなる大雨の影響で状況が悪化するおそれがあると警告している。

地滑りはシチリア島の丘陵地帯で、幅4キロにわたる広い範囲で起きた。フェレラさんの家は丘陵地帯にあり、現在は「レッドゾーン」に指定されたニシェミの立ち入り禁止区域内に位置している。

死傷者は出なかったものの、今後の雨により被災エリアが広がり、より多くの家屋が倒壊する危険性がある。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は28日に被災地をヘリコプターで視察。崩壊した丘陵地帯やその下の深い亀裂が走る畑を確認した。

メローニ氏は、1997年に同地域で発生した大規模な地滑りの際に補償が大幅に遅れたことを指摘し、迅速な支援を約束した。

視察後、地滑りがまだ続いているとして、「現時点ではどれだけの被災者が移住を余儀なくされるかはまだ分からない」と地元当局者に述べた。

人口約2万5000人のニシェミは、砂岩と粘土の丘陵地帯にある。ここでは、約30年前にも地滑りが発生している。

地質学者でシチリアの環境団体レガンビエンテの水資源部門責任者のジュゼッペ・アマート氏はAFPに対し、地滑りは気候変動が引き起こす極端な気象現象の増加を警告するものだと指摘した。

「ニシェミはいくつもある警鐘のうちの一つだ。私たちは生活を変える必要がある」とし、また家を建てる際には、選んではいけない場所があるということを知る必要があると続けた。

さらに「2025年だけで、シチリアは48回の異常気象に見舞われた」とし、風や雨、極端な暑さに至るまで、地中海の島が「気候変動のホットスポット」であることを示していると指摘した。(c)AFP/Ella IDE, Sonia LOGRE