■娘に呪いをかける父親

マサイ族はケニアで最も貧しいコミュニティーの一つで、英国植民地時代の入植者、現在では観光業によって土地を奪われてきた。中には、自分たちの生活様式を変えようとするよそ者に気をゆるさない人もいる。

若いマサイ族の男性はAFPの取材に対し、今でもFGMを信じている友人もいるが、少女がFGMを拒否したからといって呪われることはもうないと語った。呪いとは、長老たちが社会統制のために用いる手段だ。

だが、シンシア・タルルさんはそうは思わないだろう。

タルルさん11歳の時、大学教育を受けた姉によってFGMから救われたが、父親から呪いをかけられた。

現在23歳のタルルさんは、「父が呪いをかけられたと信じていたので、死ぬか、子どもを産めないかのどちらかだと考えていた」「呪いを解いてもらうために、父に牛1頭分のお金を払わなければならなかった」と語った。

シェルターで暮らすセシリア・ナイルコさん(24)は、15歳の時にFGMと強制結婚から逃げ出し、後に心理学者の資格を取得した。

ナイルコさんは今も、父親と4人の兄弟のうち3人に許されていないという。

彼女は復縁の道が一つだけあることを知っており、「十分なお金を稼げれば、父は私を許してくれるでしょう」と述べた。