【三里河中国経済観察】広西発展改革委主任の白松涛氏、1兆元級産業クラスター構築を加速
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【12月30日 CNS】「広西は、経済発展の重点を実体経済に置き、スマート化、グリーン化、融合化の方向を堅持し、人工知能(AI)を軸に地域の実情に即した新たな生産力を育成する。第一次産業の高度化、第二次産業の強化、第三次産業の拡大を同時に進めていく」
中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)発展改革委員会の白松涛(Bai Songtao)主任は、「三里河中国経済観察」のインタビューでこのように語った。
広西チワン族自治区は自然資源が豊富で、産業面でも特色が際立つ地域だ。は自然資源が豊富で、産業面でも特色が際立つ地域だ。全国有数の砂糖、野菜、果物、食肉の供給地であると同時に、西部陸海新ルートの中核拠点でもあり、その立地優位性を生かして、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの先進製造業拠点づくりを進めてきた。
地域特性を踏まえた経済運営について、白氏は、製造業の十大現代化基幹産業と二つの1兆元(約22兆1074億円)規模産業クラスターの構築に注力し、広西ならではの強みを生かした現代産業体系を加速的に整備することで、経済の質的向上と量的な安定成長を同時に実現していく方針を示した。
まず、第二次産業の強化だ。
「第14次五か年計画」期間以降、広西では工業の比重が着実に高まり、1000億元(約2兆2139億円)規模の産業が相次いで育っている。ハイテク企業の数はすでに3600社を超えた。
「第15次五か年計画」期間においては、「第二次産業の強化」を特に重要な課題と位置付ける。非鉄金属、自動車、機械、人工知能(AI)などの分野に重点を置き、影響力のある産業クラスターの形成を急ぐ。
中でも新エネルギー車産業は重要な成長エンジンだ。広西には上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling Automobile)や東風柳州汽車(Dongfeng Liuzhou Motor)といった大手企業が集積し、鉱山資源の開発から、電池、モーター、制御システム、完成車製造に至るまでの一貫した産業チェーンが構築されている。今年第3四半期までに、自動車用リチウムイオン動力電池の生産量は前年同期比60.5%増、新エネルギー車は同16.5%増となった。
人工知能(AI)による高品質な発展の推進も重要な柱だ。「第14次五か年計画」以降、広西では5000社を超える規模以上工業企業がスマート化・デジタル化改造を進めてきた。あわせて、ASEAN向けの人工知能共同研究を強化し、オープン型イノベーションプラットフォームを構築。動力設備や非鉄金属といった特色産業分野では、用途特化型モデルの成果も生まれている。
次に、第三次産業の拡大である。
近年、広西ではサービス業の成長が加速し、消費の活性化と産業高度化の両面を支えている。「広西に芝居あり」公演シーズンや「活力ナイト広西」カーニバル、「スポーツ大会をきっかけに旅をする」といった100件以上の自治区主催イベントを通じ、エンタメ経済や夜間経済を活性化し、文化・観光・スポーツ消費を大きく押し上げてきた。また、「144時間」「240時間」といった特色ある観光ルートは、乗り継ぎビザ免除で訪れる外国人旅行者向けに深掘り型観光体験を提供している。
さらに、今年第3四半期までに、広西の知的財産関連および法律サービスの売上高は前年同期比で2.4倍に増加し、技術成果の移転サービス、情報サービス、研究開発・設計サービスもいずれも20%以上の伸びを示した。ハイテクサービス業が実体経済と産業高度化を力強く支えている。
最後に、第一次産業の高度化だ。
農業は民生の安定と国家の基盤を支える重要産業である。2024年末時点で、広西では高標準農地が累計2872万ムー整備され、耕地全体の約6割を占めるまでになった。食料安全保障に対する基盤は着実に強化されている。
今後は、林業、果樹、野菜、畜産、砂糖といった強みを生かし、都市・農村住民の消費構造の高度化に対応しながら、農業のグリーン化・スマート化を進め、産業チェーンを延ばして付加価値を高めていく。
さらに重要なのが、西部陸海新ルートの要衝として位置付けられる平陸運河だ。2026年末の開通が予定されており、輸送距離の短縮だけでなく、物流コストの大幅な削減を通じて、広西の高品質な経済発展に大きな影響を与えると見込まれている。
田畑から工場へ、港から市場へ。広西は自らの資源条件、立地優位、産業基盤を踏まえ、第一次産業の高度化、第二次産業の強化、第三次産業の拡大を同時に進め、描いた発展構想を着実に現実のものにしつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News