【12月21日 AFP】ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領とアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が20日、米国のドナルド・トランプ大統領による圧力が強まっているベネズエラ情勢について、公然と衝突した。

両氏は、欧州連合(EU)との今後の貿易協定が議題に上がった南米南部共同市場(メルコスール)の首脳会合に出席していた。

2016年にメルコスールの加盟資格が停止されたベネズエラを巡る緊張が表面化する中、ルラ氏は武力衝突が「人道的惨事」を引き起こすと警告した一方、ミレイ氏はトランプ氏の強硬姿勢を称賛した。

ここ数か月でカリブ海での軍事的存在感を強めている米国は、麻薬取引対策だと主張して同海域や太平洋で麻薬密輸船とされる船舶への空爆を実施。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領はこれを政権転覆を狙った取り組みの一部だと述べている。

またトランプ氏は今週、ベネズエラとの戦争の可能性を排除できないと述べている。

ブラジル南部フォスドイグアスで行われた会合の冒頭、ルラ氏は「ベネズエラへの武力介入は、西半球にとって人道的大惨事であり、世界にとって危険な前例となる」と述べた。

しかし、トランプ氏の盟友ミレイ氏は「アルゼンチンは、ベネズエラ国民を解放するための、米国とドナルド・トランプの圧力を歓迎する。この問題で弱腰の姿勢を取る時代は終わった」と話した。(c)AFP